2022年8月13日、4人組ロックバンドのNUMBER GIRLが同年12月11日のぴあアリーナMMでの公演をもって解散することを発表しました。2019年に再結成されたときの目的である「RISING SUN ROCK FESTIVAL」でのパフォーマンスが、コロナに阻まれながらもようやく実現した、本番当日の解散(再解散)発表でした。
公式発表には、「また稼ぎてえと思ったら、何度でも時を超えて我々は集まり、福岡市博多区からやってまいります。」と再々結成の期待を持たせてくれるようなメッセージがあるので、悲しい気持ちと、らしいなという微笑ましさと、また会える時に期待する気持ちが入り混じっているのではないでしょうか。
今回は、2002年に解散してから2019年に再結成したときの「稼ぎてえ」という建前以外に語られた本音を振り返り、2022年の再解散理由と今後の再々結成時期についてまとめました。
ナンバガが2022年12月で再解散することを発表
ナンバガの活動歴
NUMBER GIRLは、過去に解散と再結成をしていますが、ずっとメンバーは変わることなく4人(アヒト・イナザワ、中尾憲太郎 、向井秀徳 、田渕ひさ子 )で活動しています。グループとしての活動が無かった期間もメンバーはそれぞれが音楽活動を継続しています。
再解散を発表
2019年にNUMBER GIRLが結成された1つの大きな目標は、北海道の「RISING SUN ROCK FESTIVAL」だったそうです。しかし2019年は台風、2020~2021年はコロナでイベントが中止、2022年に満を持して開催されたこのフェスについに出演しました。
2019年のナンバーガール再結成の大きな目的であったライジングサンにとうとう明日出演します!! pic.twitter.com/rDI9PRYO9i
— Matsuri Studio (@MatsuriStudio) August 12, 2022
目標が達成されて1つの節目を迎えたのでしょうか、このフェスの当日にNUMBER GIRLの再解散が発表されました。
【NUMBER GIRLよりお知らせ】
— NUMBER GIRL (@numbergirl_jp) August 13, 2022
NUMBER GIRLは2022年12月11日(日)ぴあアリーナMMでの公演をもって活動を終了し解散します。
向井秀徳からのコメントと公演についての詳細はオフィシャルサイト・狂う目をご覧ください。https://t.co/epNqoYuKqx pic.twitter.com/mAuO7YpgVA
こちらは公式発表での向井さんのコメントの一部です。きっと照れ隠しからすべての心境は語られていないと思いますが、またいつの日か結成されるという期待を持たせてくれる内容です。
私は稼ぎてえ、と切望しておりました。ひとりの取り分として結局1LDK築20年の中古マンションの購入価格くらいになっただろうか。計算しておらんがいずれにせよ私としてはこの目的を全くもって果たせていない。目的とは金銭のことである。これはくやしい。いや、プライスレスのヨロコビがあったではないか。そういうことだ。そういうことなのだ。
2022年12月11日(日)ぴあアリーナMM公演をもってNUMBER GIRLは解散します。
出典:狂う目
また稼ぎてえと思ったら、何度でも時を超えて我々は集まり、福岡市博多区からやってまいります。
「悲しい」「寂しい」という意見が多いですが、彼ららしい発表に感動しながら、再々結成にすでに目を向けている方も多いようです。
ナンバガ再解散にはなんの感傷もなく、面白いことにジョンが何度も出入りするレッチリみたいな雰囲気すらある。やりたくなったらまたやろう的なノリ、バンドでなかなかないよ。12月の解散公演後もまた彼らの姿をどこかで観れるでしょう。
— イッパンジンjp【公式】 (@ippan_jin_JP) August 13, 2022
ナンバガ解散に(いい意味で)誰もダメージ受けてないの面白いな
— k o (@20_0_9_) August 13, 2022
唐突な解散発表のようにも感じますが、2019年に再結成されたときの理由を振り返ると、それほど驚くべきことでもないことがわかりました。
ナンバガの再解散理由
2019年の再結成理由
NUMBER GIRLは2002年に解散後、2019年に再結成しています。発案者である向井さんの語る、再結成の理由を集めてみました。
再びNUMBER GIRLの再結成について語った向井。「衝動かもしれない。風が吹いたんでしょうね」と話した。
出典:https://news.radiko.jp/article/station/FMJ/34132/
ここにきて皆で集まってもう一回やろうと思った理由はいくつかあるんですけども。我々が最初に出たRISING SUN ROCK FESTIVALが99年で。あ、そうだ、20年だなってふと思って。2019年で20年、キリがいいなと。
出典:https://fendernews.jp/cover-june-19-numbergirl/
俺の中では、キリがいいなっていうのがまずは第一だったね。そのキリがいいところで、一発ぶちかますかっていうのがひとつとしてあります。
もちろん、いいバンドだって自覚していましたけど、改めて外側から見られたんですね。そして、若い人たちが言ってくれると。NUMBER GIRLを生で見たことがないと。
出典:https://fendernews.jp/cover-june-19-numbergirl/
見たことがないどころか、解散した時にはまだ生まれていなかったというようなことを。そうかって。じゃあ見せてやりましょうか、というふうに思ったんですね。
個人的に言ったら、私がやっているZAZEN BOYSのメンバーチェンジがあったんですよ。ベーシストが変わって、MIYAっていうのが入って、自分の中ですごく新しい風が吹いていて、そういう気分も相まったのもあるね。
出典:https://fendernews.jp/cover-june-19-numbergirl/
また新しい感じでやったろかい!みたいな。その高揚感も相まって、NUMBER GIRLも今集まったらどうなるんだろう?と思い立ったんだよね。
下にいくほど本音に近い感じがしますね。再結成理由をまとめますと・・・
・解散した2002年から20年が経過した2019年はキリがよかった
・若い世代がNUMBER GIRLの音楽に感動しているのを知り、自身でも改めていいバンドであることを認識した
・向井さんが加入しているバンド、ZAZEN BOYSのメンバーチェンジで新しい風が吹き、NUMBER GIRLでも解散期間を経てどんな変化があるか期待した
解散中も再結成をしてほしいという話を持ち掛けられることが多かったそうですが、現実味を感じずに実現していなかったそうです。決めてとなるのは向井さんはじめNUMBER GIRLのメンバーの意見なんですね。
20年ぶりにメンバーと集まったときに、20代から40代に年を重ねてもまだ高いクオリティでパフォーマンスできる確信を得て「稼ごうぜ」という建前で活動を再開されたそうです。
再結成されたときの公式発表はこちらです。
2018年初夏のある日、俺は酔っぱらっていた。そして、思った。
またヤツらとナンバーガールをライジングでヤりてえ、と。
あと、稼ぎてえ、とも考えた。俺は酔っぱらっていた。
俺は電話をした。久方ぶりに、ヤツらに。
そして、ヤることになった。
できれば何発かヤりたい。向井秀徳
出典:NUMBER GIRL公式サイト
この再結成のコメントで「何発か」と語っているのは、目的の舞台が決まっていて、それに向けて活動していたのかなと考えることもできますね。
2022年の再解散理由
ナンバガは、2022年に再解散する明確な理由を語っていません。わかっているのは、活動期間中に「稼ぐ」という目的は完全には達成していないけれど、お金だけで説明できないプライスレスの喜びを得られた、ということです。
また、2019年の再結成を記念する舞台となるはずだった北海道の「RISING SUN ROCK FESTIVAL」は、その年は台風で出番中止、2020~2021年はコロナウイルスでイベント中止、2022年にようやく満を持して出演されました。これが再結成の1つの大きな目的を達成した節目だったのかもしれません。
ナンバガの再々結成時期は?
NUMBER GIRLは2002年に解散してから、20年の時を経て2019年に再結成されました。解散していた期間も、NUMBER GIRLの音楽は広い世代に愛され、復活を求める声があったものの、再結成を決めたのは周囲の期待によるものでなくメンバーが確信を持った瞬間でした。
だから2022年に再解散した後、次の再々結成がいつになるかは、きっとNUMBER GIRLの方々も分からないと思います。しかし向井さんは「また稼ぎてえと思ったら、何度でも時を超えて我々は集まり、福岡市博多区からやってまいります。」とコメントし、再々結成の可能性があることを明かしています。
節目とモチベーションを大切にしているNUMBER GIRLが、また5年後や10年後にロックフェスの舞台に立つことを楽しみに、気長に待ちたいですね。


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