2025年の大阪・関西万博まで1000日を切り、公式キャラクターの愛称が「ミャクミャク」に決定しました。しかしTwitter上ではなぜか「ミャクミャク様」がトレンド入りし、様付けがしっくりくるという声が多いようです。
ミャクミャクという愛称が決まる前にはネット上で「コロシテくん」と呼ばれていた時期もあり、色々と気になるキャラクターです。
この記事では、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」がなぜか物騒な呼び名を経て、ミャクミャク様として様付けで呼ばれる理由をまとめました。
ミャクミャクが様付けで呼ばれる3つの理由
来月目撃されるであろうミャクミャク様 pic.twitter.com/5V86ptrZQy
— ぱんだ (@pandagohan0428) July 19, 2022
ネット上ではすっかり「ミャクミャク様」という様付けの呼び方が定着しているようです。なぜだか「様」を付けたくなってしまう、その理由を探りました。
理由①怪異なイメージでヒットさせるため
ミャクミャクという愛称が決まるまでのあいだは、このキャラクターは「いのちのかがやきくん」というかわいらしい名前で呼ばれていたのですが、世間一般的には「怖い」「気持ち悪い」という声が多かったようです。
ネットニュースなど様々なメディアで「ミャクミャク様」の名前が報じられていることから、様付けの呼び名を定着させようという動きが感じられます。そして様付けをすることで、キャラクターに対して「怪異」なイメージが膨らんだという声も出ているようです。
マッドサイエンティストに作られた実験生物みたいな見た目で「命の輝き」というネーミングなのが冒涜的で面白かったのだが、ミャクミャク様という名前によって怪異、閉鎖的な寒村、迷信深い老婆、忌まわしい儀式といった色彩がついた
— スドー🍞 (@stdaux) July 19, 2022
かわいいよりも怪異なイメージを世間に定着させることでブームを作る意図があるのかもしれません。
一見ネガティブそうなイメージもキャラクターのヒットには重要なようです。
キャスターの辛坊治郎さんも「気持ち悪いとか言われるほうが、こういうのはヒットする」とコメントしています。
「なんか気持ち悪いな」と言われそうなこのデザイン。でも、こういう気持ち悪いと思われるキャラクターほどヒットするんですよ。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/eba8f659d01c0f40ecc3938869b8a747ae461233
気持ち悪さが注目を集め、やがて人気者になった有名なキャラクターもいますね。
いのちの輝きくんもヤバいっちゃヤバいんだけど、リアルタイムで「せんとくん」を目にした世代からするとまだアリに見えるから面白いよね。 pic.twitter.com/rgxzjlLKjm
— ぬこ.提督 (@Admiral_nuko) March 23, 2022
理由②土着神ミシャグジと響きが似ている
ミャクミャクの名前から土着神ミシャグジ様を連想する、という意見もあるようです。
ミャクミャクさまの名前の馴染みようすごいな…ミシャグジさまとかいるからな…私もあれはちょっと怪異系でパロれると思ったよ マスコットだよな…?
— 冬見坂 (@FuyumizaCa) July 19, 2022
確かにミシャグジとミャクミャクは音が似ている気がします。ミャクミャクという名前に様を付けて呼ぶことに違和感はありませんね。
理由③愛嬌があるから
ネット上ではミャクミャクについて、都市伝説や裏設定を考える大喜利状態が繰り広げられています。ホラー映画のような内容もありますが、やはりこのような大喜利が繰り広げられるのは、早くも常軌を逸したミャクミャク様に愛着が湧きつつあるからではないでしょうか。
ミャクミャク様、多分子供を連れ去る怪異とかが連れ去る対象の子供に楽しい夢を見せてる時に現れて
お🍣Mk-Ⅲ🍣(@9ball3k3) July19,2022
一緒に手を引いて帰らせるタイプの存在だとかそういう感じのが見たい
ミャクミャク「ちゃん」、ミャクミャク「くん」よりも、ミャクミャク「様」と呼ぶことでぶっとんだ設定が可能となり、みんなでキャラ付けしていく過程で愛嬌が増しそうですよね。
キャラクターの魅力がより強く感じられる呼び方が「ミャクミャク様」だから、そう呼ぶことが定着しつつあるのかもしれません。
コロシテくんとは?
愛称が決まるまでの経緯
ミャクミャク様の名前がトレンド入りしましたが、 大阪・関西万博の公式キャラクターの愛称が決まるまでには「コロシテくん」というなんとも物騒な呼び方が流行った時期もあるようです。キャラクターの愛称が決まるまでの流れがこちらです。
2020年8月下旬 公式キャラクターのデザイン公開
↓
大阪・関西万博のテーマにちなんでネット上で「いのちの輝き君」と呼ばれはじめる
↓
2020年9月時点でTwitter上に「コロシテ」がトレンド入り
キャラクターのデザインがモンスターを彷彿とさせるため「コロシテくん」も通称に加わる
↓
2022年4~5月 キャラクターの愛称を公募
↓
2022年7月18日 キャラクターの愛称が「ミャクミャク」に決定
愛称発表からまもなく「ミャクミャク様」がトレンド入り
いのちの輝きくん ← 非公式
— 炒飯 (@jdgtmpdawj) July 18, 2022
コロシテ……くん ← 非公式
ミャクミャクくん ← 公式
_人人人人人人人人_
> 違和感なし! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
コロシテくんが定着した理由も怪異性?
コロシテくんが定着した背景には、キャラクターのデザインがモンスターを彷彿とさせることが影響していたようで、「ゾンビ学」研究者の岡本健・近畿大学准教授がこのようにコメントしています。
説明すると、昨今のいろいろなアニメや漫画では、人間の魂(や肉体)を本人の意に添わぬ形で合体させたモンスターがよく出てくるのです。
人間の魂(意識)だけは残っていたりして、「こんな状態なら殺してくれ」と言ったりする。このテンプレのようなセリフを知らないと分かりづらいネタだったと思います。
出典:https://media.moneyforward.com/articles/5281
ミャクミャクのデザインから、漫画・アニメの「殺してくれ」というセリフを連想し、「コロシテくん」という名前が広まったんですね。
キャラクターデザインの怪異性は「コロシテくん」と「ミャクミャク様」の両方に影響していたのかもしれません。
ミャクミャクの由来
#大阪・関西万博 公式キャラクターの愛称が「ミャクミャク」に決定しました🎊
— Expo2025 大阪・関西万博 (@expo2025_japan) July 18, 2022
世界中から愛され、親しみを持たれるキャラクターに育てていきます🌈
みなさん、よろしくお願いいたします‼️#ミャクミャク#EXPO2025 pic.twitter.com/2J8hMT5N5p
ミャクミャク様やコロシテくんなど、様々な呼び名で愛されている公式キャラクターですが、本来の由来は万博のテーマである「いのちの輝き」が全面に打ち出されたものでした。盛り上がりを見せている都市伝説大喜利との温度差を見ていきましょう(笑)
筆者は個人的に、万博の壮大なテーマからスタートしたものが、Twitter上でサブカル的な視点で色んな解釈が生まれるのは非常に興味深いです。
キャラクターのデザイン
ミャクミャクの作者は絵本作家・デザイナーの山下浩平さんです。
万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」はミャクミャクのデザインにも反映されています。
赤い部分は「細胞」で、分かれたり、増えたりする。
出典:https://www.expo2025.or.jp/overview/character/
青い部分は「清い水」で、流れる様に形を変えることができる。
見た目のインパクトの強さに目が行きますが、ミャクミャクの姿には哲学的にも思えるような深い意味があるようです。
なりたい自分を探して、いろんな形に姿を変えているようで、人間をまねた姿が、今の姿。
出典:https://www.expo2025.or.jp/overview/character/
ミャクミャクの名前の由来は「つながり」
大阪・関西万博公式キャラクターの愛称は公募をかけて選ばれました。「ミャクミャク」という愛称は2名の方から提案されたそうです。この愛称には様々な人や国を意識した意味が込められていました。
こちらが、ミャクミャクを応募した1人目、川勝未悠さんの考えるコンセプトです。
今まで「脈々」と受け継がれてきた私たち人間のDNA、知恵と技術、歴史や文化。変幻自在なキャラクターは更にあらゆる可能性をその身に宿して、私たち人間の素晴らしさをこれからも「脈々」と未来に受け継いでいってくれるはず。
出典:https://kyodonewsprwire.jp/release/202207183934
そんな希望を込めて「脈々=ミャクミャク」と名付けました。
またミャク=脈であり、生命そのもの。
ミャクミャクという2音が続く様は、命が続いている音にも聞こえます。
こちらはミャクミャクを応募した2人目、作田陽向さんの考えるコンセプトです。
初めてキャラクターを見たとき、赤色と青色が動脈と静脈を連想させたため。また、万博のテーマである、人類文明のつながりや、国際的なつながりを、「脈」という言葉で表せられると思ったため。
出典:https://kyodonewsprwire.jp/release/202207183934
改めてキャラクターデザインや愛称の由来を知ると、本当に奥深いですね。公式のコンセプトも、キレのある大喜利も、両方がミャクミャクをますますバズらせるのではないでしょうか。
大阪・関西万博まで1000日を切り、これからの盛り上がりが楽しみですね。
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